大晦日である。
さすがに人気(ひとけ)のない長崎日大である。
今年一年の感謝をこめて校舎内を見て回った。
昨日まで、直前ゼミを実施していた教室等、チリ一つなく、きちんと清掃、整理整頓がなされている。さすが高3の皆さんである。
校舎の玄関前と永田菊四郎先生の胸像前を掃き清めて、今年も終了である。
昨年の今頃、誰がこの2020年を想像することができただろうか。
どれだけ歴史の頁をめくってみても、全世界、人類が脅かされた1年というものはそうそう出てこないだろう。
とはいえ、立ち向かっていくしかない。
山本周五郎の『花匂(にお)う』で主人公、武家の三男・直弥が辛い経験をした幼なじみを慰めるシーンがある。
「このような経験をすることは何一つ虚しいものはない。」
「喜びも悲しみも、みんなわれわれによく生きることを教えてくれる。」
「大切なのはそれを活かすことだけですよ。」
今後、どんなことが起ころうとも長崎日大がひとつになって立ち向かっていくしかないのである。
生徒・保護者の皆様、教職員の皆様、学園関係の皆様が静かにゆっくりとお正月を過ごし、新たな年に向けての鋭気を養っていただくことを切に願う吾輩である。
本年はここまで。