創立から現在へ
本校は、第五代日本大学総長・永田菊四郎博士の郷里である長崎県に、日本大学の付属校を誘致し、現代教育の昨興に寄与し、併せて永田先生の学徳を賛仰したいとの郷土の願いが結実し、本県有識者および日本大学校友が中心となり、昭和42年に創立されました。
創立から半世紀を経た平成30年1月、まさに近未来対応型と言える斬新かつ魅力的な新校舎及び新キャンパスが完成いたしました。この校舎は長崎日大50年の集大成であると同時に、さらに未来に向かって挑戦していこうとする、私たちの強い意志を示すシンボルでもあります。
教育理念・教育目標
世界の発展と平和、人類の福祉に貢献できる、誠実な人格を形成し、行動力と創造する精神を育む教育によって、未来社会を支えるにふさわしい人物の育成を目指す」という教育理念の下、以下の教育目標を掲げ、師弟同行の教育活動を続けております。
・社会貢献の気概、豊かな人間性と鋭い道理の感覚を養い、優れた学力の修得を目指す個性豊かな生徒が集う「生徒が主役」の学園を目指す。
・意欲的に学び、深い思考力・確かな判断力・豊かな表現力を備え、逞しい実践力と品位ある人間性を身につけた活力溢れる若者を育てる。
・教職員が自らの専門性の向上に努め、和を尊び、相互に教育的指導力と社会的人間力を高め合う、活気に満ちた本校独自の教育環境を創造する。
「感動が溢れる学園創りを目指して」
理事長 力野 孝典
永きに渡るコロナ禍の影響に加え、自然環境の問題としても、人為的な問題としても、世界の平和と私たちの日常が脅かされる今般となっております。さらに、そう遠くない未来において、シンギュラリティ(技術的特異点)が訪れることが確実視されています。 巷間よく耳にする、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った造語であり、未来の予測が難しくなる状況のことを示す「VUCAの時代」とは決して大げさな表現ではないでしょう。このような現状において、未来社会を輝いて生きていくためのスキル、このVUCAの時代を生きる個人に必要とされるスキルとして、「総合的な人間力」、具体的に言えば、考え抜く力、感情をコントロールする力、幅広い情報収集力、多様性を武器に変える力、アジャイル思考、リーダーシップ、曖昧さを受け入れる力という7つがあげられます。これらの力は、著しい技術革新が注目を集めるAIの能力が及ばない領域だとも言えるでしょう。
先に掲げた7つの力の中で特に意識していただきたいものとして「アジャイル思考」があります。アジャイル思考とは、完璧な計画を立てることや完成形を生み出すことに固執せず、まずはやってみる。素早く動き、試行錯誤する力が大事だという考え方です。試行錯誤しながら、常にアンテナを張って、迅速に軌道修正を行えるようにすることが求められます。計画どおりに物事が進まない場合、現状に合わせて臨機応変に対応する柔軟さも大切です。
改めて考えてみますと、アジャイル思考に限らず、考え抜く力や多様性を武器にする力など、長崎日大での充実した学校生活、学業や部活動、社会的活動などへの取り組みの中で、皆さんが養い培っていくスキルと重なっています。本学園が求める「感動体験」と「感動の共有」は問題解決のきっかけになることもあり、「感動」そのものが直接的に生きていく自信につながる場合もあります。「感動」とは「輝いて生きる力」の源だと言えるのです。本学園の中学・高校生活の中には将来を輝いて生きるための「学び」と「感動」を共有するステージが豊富に準備されています。至誠・勤労・創造の校訓の下、それぞれが主役として躍動し、長崎日大での経験・学び・成長を基盤として、多様性を受容し、相互理解・相互尊重の信念を培い、大きく成長を遂げた若者たちが新しい時代のリーダーとして「世界的視野を持つ日本人」となり、「日本的精神を持つ世界人」となり活躍することを期待しております。
令和5年度のスタートにおいて、長崎日大の真骨頂である「親身になった温かい教育」を基盤とし、生徒の皆さんの命の尊厳を第一とし、「安心・安全・健康・快適」を守りつつ、着実に魅力的な教育活動を進めてまいりたいと考えております。本学園に対しまして、変わらぬご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
「斌斌たれ!長崎日大~感動を共有できる学校を目指して~」
校長 池内 一郎
令和5年度教育方針において以下の【目指す学校像】を定めております。
【 目指す学校像 】
・「チーム日大」「生徒が主役の学校」として感動を共有する学校
・校訓の理解と実践を礎に「斌斌(ひんぴん)たる学校の創造」に挑戦する学校
※「斌」は、訓読みで「うるわしい」と読み、「斌斌」は、① 盛んで、鮮やかなさま。 また、外見と内容がともによく整い、調和しているさま。 ② 文化がよく発達し、遍くいきわたっているさま。という意味を持ちます。
・親愛の情漂う「愛情基本の教育」を実践する学校
・師弟ともに学び続け、「教え方改革」と「学び方改革」を推進する学校
「感動体験」には「自分の成長に対する感動」、「他者の努力への感動」、「協働による成功・成就における感動」の3つがあります。感動を共有するためには、「自らの成長の実感」、「他者による自分とは異なる努力の承認」、「相互理解・相互尊重」の意識を醸成していく必要があります。また、4つめとして、本校が提供することを目指している「指導者との出会いによる感動」を挙げておきます。
長崎日大のすべての教育活動の礎である校訓「至誠・勤労・創造」の意味するもの、目指すものを改めて見つめ直し、生徒諸君の生涯を支える持続可能な教育を提供していきたいと考えています。また、本校創学者である永田菊四郎先生のお言葉にある「愛情基本の教育」を「不易」とし、ICT等を駆使した新たな時代の学びのスタイルを「流行」とする、長崎日大の「不易流行」を実践してまいります。
申すまでもなく、教育は心であります。教育をする人の心、教育を受ける人の心、心と心の触れあい、魂と魂の触れあいでなければならない。学校は親愛の情、愛情が漂っておらなければならないのであります。学園の学という字は、学問の学という字であると同時に、音楽の楽という字でありたいと思っております。そのためには、どうしても、先生方と学生との間に親愛の情が漲り、また、学生と学生の間にも、仲良くするという気持ちが漂ってなくてはならんのであります。
長崎日大創立のとき、永田菊四郎先生のご講演「私たちの使命」より
面倒見の良さや温かい対応に加えて、師弟がともに学び続けることによって、「教え方」も「学び方」も常にアップデートを重ねていくことによって、長崎日大は学校としての進化を遂げていきます。生徒の皆さんが自己肯定感を高め、多様性を認め合い、落ち着いた雰囲気の中、「学びの楽園(がくえん)」を創造していきたいものです。
最後になりましたが、平素よりの本校に対するご理解・ご協力に深く感謝申し上げます。「生徒が主役」「感動日大」を合言葉に、斌斌たる学校創りに挑戦し、生徒の皆さん、保護者様、教職員、そして、卒業生や本校関係の皆々様と「熱い感動」「温かい感動」を共有していきたいと考えております。今年度も何卒よろしくお願い申し上げます。