招き猫先生の『ことちか日記』

招き猫先生の『ことちか日記』R5 9/16

長崎日大の秋の学校行事には魅力的なものが多く、吾輩も楽しみにしているがその中でも毎年注目しているのが、中学1年生生から高校2年生までが参加する弁論大会である。

開会のご挨拶では以下のように申し上げた。

この永田菊四郎杯弁論大会も早いもので、第23回目を迎えました。長崎日大の創学者である永田菊四郎先生は、「弁論大会を大切にする学校は必ず伸びる。生徒も教員も意識と文化のレベルを向上させ、学校全体を成長させることができる。」と、常々おっしゃっていたそうです。
さて、現代社会では、SNSやソーシャルメディアが普及し、情報や 自分の考えを周囲に伝える手段が無数に存在します。しかし、匿名ではなく、自分の姿を見せて、多くの人々に、自らの思いや考えを直接語りかける「弁論」は、出場する皆さんにとっても、その弁論を受け取る皆さんにとっても非常に貴重で新鮮な体験だと思います。

気持ちのこもった真剣な弁論には、スポーツと同様に、人の心を 揺さぶる、感動を呼ぶ何かがあると、私は信じています。

今年のテーマは、「シン」です。漢字ではなく、音の響きとして示された「シン」です。「シン」と聞いて、皆さんはいくつの漢字が浮かびますか。漢字を頭に浮かべてみてください。

こころとか、真実のしん、神様のしん、大臣のしん、新しい、親しい、信じる、伸びる、深い、はすぐ浮かぶでしょう。慎むはどうでしょう。漢字が浮かびますか。寝室、慎重、身長、審判、森林、浸水、侵入者、紳士、申告などの「シン」もあります。中国の秦の始皇帝の「秦」もありますね。今言った20個が書けたらかなり優秀ではないかなと思います。

このように、ひとつの言葉に反応して、テーマを決めて自分の思いや考えをめぐらし、文章にしていくことは非常に高いレベルの知的活動です。長崎日大の校訓のひとつである「創造」につながる価値ある取り組みと言えます。

さて、これから、このテーマをそれぞれに受け止めた弁士の皆さんが、「自分の思いと考え」を精一杯表現してくれます。弁士の皆さん、皆さんは、勇気ある価値ある表現者です。顔を上げて胸を張って 堂々と、自分の言葉で熱く語ってください。弁論を聴く皆さんは、発表する人の思いを、リスペクトの気持ちを持って受け止め、自らの変化のきっかけとしてください。お互いの異なる努力を認め合い、感動を共有する長崎日大にふさわしい弁論大会となることを期待して、私からのご挨拶といたします。

9人の弁士の皆さん、ご指導いただいた先生たちをはじめ、真剣に弁論を受け止めてくれた生徒さんたちに心から感謝を申し上げたい。

本日はここまで。

 

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