2020.08.09~08.15

2020.8.15 対話の価値・”ことちか”の重み

仕事柄、ベネッセの学校等に向けた公式サイト「ベネッセ・ハイスクールオンライン」を覗く機会が多々あります。各学年の進路・入試情報などだけでなく、校務をサポ―トしてくれる貴重なヒントがあり助かっています。現在、義務教育(中学校)では実施されている「観点別評価」が令和4年度から高等学校教育でも導入されますが、この連休中にサイト上で研修できる大学教授監修の動画公開がされていました。余裕がある時に”まとめ視聴”してポイントが整理できとっても有意義でした♪

さて、そのサイト上では、全国8,000人強の先生方のアンケート結果が先日更新されました。内容は、コロナや長期休暇明けに、生徒が不安に感じていることは何だと感じるか?を尋ねたもので、結果は左図のとおりです。時期的に、入試・進路についてが筆頭に来ることは自然ですし、夏休みの努力がどれだけ実力につながったかといった学力面を気にする声も頷けます。ただ、それらのパーセントと同様に学業以外も同程度(約30%)の心配を抱えて登校を再開するのではないか、という見立てが示されていました。とっても重要な指摘だと思います!

コロナ禍の学校にあって、私たちもMoodleにデジタルな情報を掲載したり授業動画をアップしたりと、考え得る手立てを講じています。それらの効果を実感する反面、やはり対人、すなわち対話し言葉を交わして学習や学校生活を進めることの価値を再確認することにもなりました。一人ひとりの顔つき・姿勢・言動…それらを見て話して発見できることは沢山ありますし、何より生活の基盤が安定することが学力の定着には欠かせません。

明後日から、また長崎日大に元気な生徒たちの声が戻ってきます。一人ひとりの不安・心配も様々!しっかり目・耳・心を配って、個々との対話を重ねていきたいと思います。招き猫先生(この休み中『ことちか日記』のネタもさぞ溜まっていることでしょうね…)が仰る「ことちか=言葉の力」を、せっかくリアルに接することができる環境の中でしっかり駆使していきます☆彡
 ”距離は一定、心はすぐ傍に” でありたいですね♪

 

 

2020.8.14 やっぱり必要!物理的な「時間量」

右の画像は、ベネッセが以前高校3年生に行ったアンケート調査で、「夏休みに1日平均どのくらい勉強しましたか?」というものです。

様々な入試形態がありますので、回答者全員が教科型の受験に挑むわけではありません。したがって人によっては、いわゆる受験勉強の時間は少なく、それ以外の対策・入試準備に充てていたことも考えられます。それを差し引いて考えると、やはり7~9時間は取っていて当たり前、多い人では11時間以上を確保しているという実態が見えてきます。一般的に考えれば、「大学入学共通テスト → 国公立大学2次個別(前期日程) のルートを辿る国公立大学の一般入試」が、一番受験教科・科目を要し対策にも時間がかかります。11時間を超える勉強をするとなれば、24時間のうち睡眠7時間(体調維持も大切ですよ!)、食事・入浴等2~3時間を除き、生活の85%以上を勉強に充てる計算となりますね♪

もちろん、時間だけ取れば良いというものではありませんし、その中身や集中の度合いも大切になってきます。ただ、やはり物理的な”量”を確保することは、今後まだ未習の範囲を進まなければならない現役生であれば尚のこと必要です。本来行われるはずであった夏季学習合宿であれば、1日に11時間は確保できていた計算になります。ぜひ高校3年生には、連休を活用した質・量ともに充実した入試対策を進めていってほしいと思います♪

2020.8.13 長崎日大生のために…

毎週木曜日に放映中の、「アンサング・シンデレラ -病院薬剤師の処方箋-」を観ています。医療者のドラマは、これまでDr.や看護師にスポットが当たるものが多く、薬剤師がメインとなって描かれている作品は珍しいと思います。私自身も、長期にわたって様々な医療従事者にチームとして支えてもらった経験がありますので、こんなドラマがあって然るべきだよなぁという思いで毎回視聴させてもらっています。

さて、本作のタイトルにある”アンサング(Unsung)”には、「称賛されることのない」といった意味があるそうです。患者や家族を救うという点ではやはり医師がその最前線であり、術前術後や退院後の患者の健康管理や家族の心配を”縁の下の力持ち”として支える薬剤師の立場を意味する言葉として題名に掲げられています。

私たち教師という仕事も、相通じるモノがあるなぁ…と感じます。教育の場合、というより長崎日大の場合は特に”生徒が主役”を眼目としていますから、どれだけ我々指導陣が脇役に徹し切れるかが大変重要です。受験に限ったことではありませんが、「成功は生徒の努力の賜物・失敗は我々のサポート不足」という気概で日々携わっていく必要があります。

盆休みが終われば、ますます忙しい2学期・進路実現に向けた正念場がまた続きます。アンサング・ティーチャーに徹し切って、主役たる生徒を支えていきたいと思います☆

2020.8.12 動きが多い連休だからこそ

生徒の皆さん、8日からの休業日をいかがお過ごしでしょうか?

約10日間の休みということ、そしてお盆を含んでいることもあり、外出する機会や親戚をはじめ普段生活している家族以外との交流・接触も増えることが予想されます。今日は、8月11日の県内感染者ゼロという久々の明るい話題がありましたが、新型コロナウイルス感染症への対策については学校の通常期以上にお願いしたいところです。

そこで、先日も紹介した「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)」の利用をあらためて推奨させていただきます。陽性となった方がその情報を登録することで、Bluetoothを介して接触があったと思われる人を自動的に特定し、通知してくれるというアプリです。私のスマホの例で恐縮ですが、接触が無いことが分かるだけでやっぱり安心です。自分の健康状態はもちろんですが「知らないうちに他の人にリスクを負わせる」ことを回避できることも大きいですね♪

インストールに細かい個人情報は必要ありません。国・県・教育委員会…様々な立場から登録の推奨がなされています。繰り返しになりますが、この期間の生徒一人ひとりの動きを把握することはなかなか厄介です。その意味でも、ぜひご協力をお願いします!「進路応援Blogでなぜ?」と思われるかも知れませんが、生徒たちが当たり前に学校で学べる環境を守ることが、一番基本的な支援ですから♪

厚生労働省のアプリ紹介ページはこちらから

2020.8.11 乎止己无数奈留日記

休日の谷間の出勤日ということで、朝から校務をこなしつつ、部活動に来ている高校生を見守っておりました。
17日から補充授業が再開しますので、授業のための教材研究も時間を取って進めていました。現在、高1CRの古文では『土佐日記』を学習しています。土佐守を務めた紀貫之が、任期を終え京に戻るまでを綴った「男もすなる日記といふものを女もしてみむとてするなり」の冒頭で始まる有名な日記文学作品です。

ところで、これらの作品は、もともと変体仮名と呼ばれる平仮名の仮名遣いで書かれていました。上記の画像は、そのことを紹介した教科書の抜粋です。漢字の書化させ平仮名にしたことによる呼び方で、乎=を・止=と・己=こ「をとこ=男」を意味する…といった具合です。

国文学科などに進むと講義やゼミでこれらの写本を読むことがありますが、高校生が学習する機会は、芸術選択で書道を習っている生徒が草書体で少し習うぐらいです。もともと「乎止己无数奈留日記」を巧みに崩して「をとこもすなる日記」と読みこなす、しかも当時の子どもたちはこれをスラスラ読んでいた…そう考えるとすごいですよね。

歴史モノのTV番組などでも、書状などに散見される変体仮名。少し嗜みがあるだけでも今まで以上に理解しながら楽しめるかもしれません。時間を見つけて、みんなで学習してみたいなぁと思います!

2020.8.10 日常が落とし込まれた問題

大学入学共通テストへと変化する新入試。出題傾向が変わりつつあることは、本ブログでも再三取り上げているところです。
左の画像(上)は、最近行われた模擬試験の一部です。著作権に配慮して、わざと小さく暈して掲載させていただいております。見てわかるように、評論文の中に図表・グラフ・画像などを混在させ、相互の読み取りが出来るかを問う問題が増えています。

画像がどのような物かをイメージしてもらうために、(下)の画像も用意しました。これを踏まえて、
 ̄ ̄ ̄ 「シャッター通り」ということばを何度か耳にしたことがあるけれど、写真bやc(画像上)などを見せられると事態の深刻さがわかるよね。という記述は果たして正しいかどうかを考えてみてください。

もちろん、人口流出が激しく地域が空洞化し、店舗が相次ぎ閉店を余儀なくされた商店街を「シャッター通り」と形容しますから、言っていることは「正しい」です。ただ、このような現象が起こっている商店街をシャッター通りと表現するかどうかを知らなければ、「えっ、こんな言い方するっけ…?!」とソコを迷わなければいけなくなります。「ソコ」は本文から読み取る情報ではありませんし、国語で絶対に教える知識とも言い切れません。日常の中で触れているべき、知っておくべき言葉です。

入試問題が、どんどん日常の中に落とし込まれています。自分が知っていることだけに満たされて生活しているだけでは、対応力は身につきません。社会に関心を持ち、知らないことを意欲的に吸収し「自分の半径を広げる努力を伴った生活」ができた生徒に、合格の女神は微笑むようですよ♪

2020.8.9 一人ひとりに出来ることを

1時間ちょっと前に、諫早市・大村市周辺でも黙祷のタイミングを告げるサイレンが鳴り渡りました。1945年8月9日11時02分、決して忘れてはならない・忘れられないあの瞬間から、75年の時が刻まれました。あらためて、被爆されかけがえのない命を落とされた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、今もなお被爆や戦争の影響を受け苦悩されておられる被爆者・関係者の皆様にとって、少しでも幸福や未来への希望を感じられる社会になることを願ってやみません。

さて、コロナ禍の影響を受け、今年は本日付の長崎新聞が上のような表紙に包まれて配達されてきました。平和公園の実寸大の地面を印刷したもので「一人ひとりが自宅で平和祈念式典に参加しましょう」という趣旨の言葉が添えられていました。私も11時02分には、利用させていただき所用の手を止めて自宅で黙祷させていただきました。このような状況下であっても、大切なことの為に出来ることを工夫してやろうという新聞社様のご提案は、大変素晴らしいと感銘を受けました。我々は、つい日常の中で「○○だから…」とか「○○だったら…」とか、出来ない理由を探してしまいがちです。しかし、したかったこと・出来たかもしれないことに接する機会すらも瞬殺で奪われた多くの方々の存在を思い返す時、「そうじゃないな」と気付くことが大切だと思います。

肝心なのは「○○ならばできる」「まず○○からやってみよう」と一人ひとりにできることを行動に移してみること!自戒の念を込めつつ、生徒の皆さんにも今日をきっかけにして考えてみてほしいと思います。

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