GWも後半に差し掛かりましたが、現在のところ学校再開の目安と考えている5月11日までは、まだ1週間続く状況です。そこで、あらためて池内校長先生からのメッセージを掲載いたします。
長崎日大の生徒の皆さん、学校の臨時休校の期間も1週間が過ぎました。いかがお過ごしでしょうか。
非常事態宣言を受けての生活ですから、「快適に」というわけにはいかないことでしょうが、皆さん一人ひとりは「元気に」過ごしていることを心から願っています。
私たち教職員も「主役」である皆さんのいない校舎とキャンパスに、何とも言えない寂しさを感じつつも、学校再開のそのときに備えて充分な準備を進めています。
去る3月から4月にかけて、卒業式や入学式、体育大会をはじめ、皆さんには様々な面で自粛に伴う理解と協力をいただきました。その度ごとに、私としても胸が痛む思いでした。
趣旨を理解して、落ち着いた生活をしてくれた皆さんに、改めて感謝を申し上げます。
一昨日の夜、今年度のインターハイが中止という知らせが届きました。ある程度予想はしていたこととは言え、そしてやむを得ない措置であるとは言え、つらい現実です。昨日はインターハイを目指して頑張ってきた高校3年生の顔を見て、何も言えず涙が出そうになりました。
本日は、部活動に励んできた生徒さんだけでなく、すべての生徒さんに伝えたくてこの文章を綴っています。
「苦境にあっても、天を恨まず、運命に耐え、 助け合って生きていく事が、これからのわたくしたちの使命です。」
東日本大震災直後の3月22日、悲痛な状況の中、気仙沼市の階上(はしかみ)中学校で卒業式が行われました。
上記の言葉は、中学校の卒業式で読まれた答辞からの抜粋です。答辞を読んだ梶原祐太さんの困難な状況を引き受けてそれに耐え、謙虚に力強く生きようとするこの言葉には、同じ境遇に立つ多くの被災者が勇気づけられたことだと思います。
東日本大震災に限らず、多くの自然災害や事故が、世界を日本を襲うことがありました。その度に、多くの尊い命が亡くなったことを通して被害の甚大さを再確認させられ、何度も胸を痛めました。今回のコロナウイルス感染症においても同様です。
私たちは、尊い命を失った方々の分まで、命を大切にし、生を充実させていかなくてはなりません。どこにぶつけようもない悲しみや憤りを抱えてでも、たくましく生きていかなければなりません。
「苦境にあっても、天を恨まず、運命に耐え、
助け合って生きていく事が、これからのわたくしたちの使命です。」
今こそ、この言葉を共有したいものです。
そして、もうひとつ、東日本大震災の頃に知った言葉があります。
それは、仏教の言葉で「如実知見(にょじつちけん)」というものです。
事実を事実としてあるがままに、ものの真実の相を正しく見極めるという教えです。
私たちは嫌なことがあるとどうしても現実から逃げ出したり、何かのせいにしたりしてしまいがちです。何かのせい、誰かのせいにするのではなく、自分を如実に見てこれからを考えることが大切なのです。
現在、世の中において、SNS等の根拠のない情報やうわさに踊らされる様子、ストレスの溜まる生活が原因なのか、すぐに他者を攻撃するような刺々しい雰囲気を感じる状況となっています。
私たちには、現実をしっかり受け止めて、軽挙妄動に走ることなく、冷静な判断の下、落ち着いた行動をしていくことが必要です。
どんなに困難な状況や悲しい現実があっても、事実をしっかり引き受けて立ち上がっていくことが「生きている」私たちの使命なのではないでしょうか。
さて、臨時休校期間の後半となるGWとなります。
皆さん自身やご家族の皆様の健康と感染防止に留意していただくことが最優先事項ですが、学校からの連絡や各コース・科、クラス、部活動等からの指示を確認しつつ、この期間を大切にしていただくことをお願いします。
先生たちも、動画の作成や配信をはじめとする、皆さんの役に立つような教材の研究と作成など、諸々の準備に勤しんでいます。
今朝も校舎の玄関前や日大坂、胸像の前といったキャンパス内を一生懸命に掃除してくれている先生たちがいます。
学校再開の日、綺麗な長崎日大で皆さんを待っています。
それでは、厳しい状況は続きますが、落ち着いて「今の生活」を充実させましょう。皆さんの健康と充実を心から祈っています。