招き猫先生の『ことちか日記』

招き猫先生の『ことちか日記』R3 6/20

先週のことだった。
早朝から日大坂を駆け上がっている柔道部の面々がいる。
「朝の自主トレかな」と思い、「おはよーっ、頑張れよ!」と声をかけると、いつもと違って反応が鈍い。

あとで顧問の田中先生の話を聞いて合点がいった。
彼らは単なる朝の走り込みではなくて、それぞれのタイムを計測しつつ走っていたのだった。つまり、タイムトライアル中だったのである。

「そりゃ余裕なくて挨拶もしっかり返せないよね。」と。

走り込みの様子をよく見ていると、取り組み方について上級生から下級生に細かい指示も出ていた。

陸上部や球技ならともかく、柔道部(特に重量級)にとっては、朝早くから坂道の上り下りだけでも充分きついメニューだと思うが、手を抜くことが許されないタイムトライアルなのである。

吾輩も経験があるが、部活動の練習中ならともかく、朝の自主トレであれば、「朝から練習すること」が目標になってしまうのである。つまり、その時間のトレーニングに「何を求めての時間なのか」という意識が希薄になり、ただとにかく練習することをゴールにしてしまうことがある。

「なかなかできる練習ではないな。」と思った。ということを拙ブログに綴ろうかなと思っていたところの日曜日、ふと第1グラウンドを見に行くと、見慣れない集団がいた。

よく見ると、柔道部の皆さんであった。

 

道場では、日頃からビリビリと緊張感漂う練習を続けている面々が、何とも楽しそうに野球に興じていた。

練習では鬼のように怖い松本先生がニコニコ笑いながらピッチャーを、小鬼である田中先生、原口先生も笑顔で守備についている。
「日頃、妥協しない厳しい練習をしている集団ほど、ちょっとした遊びや余暇がすごく楽しいんですよ。」「ラグビーでも勉強でも仕事でも全部同じです。」という言葉を思い出した。ミスターラグビーこと故平尾誠二さんから菅平で直接うかがった言葉である。

柔道着を着ていない柔道部の二つの風景であった。

本日はここまで。

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