過去最大と言ってよいコロナ禍の拡大のため、週末の部活動等への規制が始まった土・日である。
土曜、日曜ともにほとんど生徒さんの姿は見受けられない。
寂しいものだなとキャンパスを歩いていると、第1グラウンド近くの筋トレルームに人影が。
1人でトレーニングしてるのかなとのぞいてみると、柔道部3年生のAくんであった。
高校2年生のときに大きな怪我をして、大会出場どころか練習さえもままならなかったAくんである。
しかしながら、挫けることなく実力を養い、最後の県高校総体の決勝戦、前評判では「絶対不利」と言われていた強豪南山高校さんとの一戦では、優勝を大きく引き寄せる大殊勲の一本勝ちを決めてくれた。
筋トレの邪魔をしてはいけないと立ち去ろうとした吾輩を追いかけてきて、「先生、怪我の再手術のために卒業まで会えないかもしれません。本当にお世話になりました。ありがとうございました。」と挨拶してくれた。
「決勝戦での君の一本勝ちは長崎日大柔道部の名シーンベスト10に入るよ。ありがとうな。」と声をかけた吾輩であった。
日曜日には、職員室の前で、これまた柔道部3年生のIくんとばったり出会った。大学進学も志望校にバッチリ決まり、練習や試合のときとは別人の如き柔らかい顔であった。
「今、一番いい時間を過ごしているみたいだな。」と声をかけると、笑顔で「はいっ!」と答えてくれた。
厳しい厳しい生活を乗り越えて県高校総体の連覇を続けた先輩たちのバトンを受け取った後輩たちの新チームは、秋の県新人戦、先週末の選手権県予選をともに制し、春の全国高校選手権出場を決めている。
勝負の世界において勝つことは難しいが、勝ち続けることはもっと難しいとよく言われるが、長崎日大の柔道部はまさにそれに挑んでいるのである。
さて、今まさに、部活動をやり遂げて先週の共通テストに挑んだ高校3年生、中高6年間、高校3年間を学業に集中してきて大学受験に挑んでいる高校3年生が最後の進路決定のために力を振り絞っている。
それぞれに、自らの高校生活を全うしてきた高校3年生、最後まで目標と課題に向かって努力している高校3年生、長崎日大の誉れである。
本日はここまで。