歯が痛くなって訪れた歯科医の待合室、置いてあった本をふと手に取り、ページをめくると、
「助けてください」と言えたとき、人は自立している。
という言葉に出会った。
この言葉は、東京大学等で教鞭をとられている経済学者である安富歩さんの言葉である。
安富さんは、「自立とは、多くの人に依存することである。」とも述べている。
一見、矛盾する言葉だと感じるだろうが、世の中を生きていく上で誰とも関わらずに生きていくことなどできない。
GIVEとTAKEは一対である。経済的自立にしても精神的自立にしても「一人では完結しない」のである。
この言葉は、「自分の生活はあらゆる人たちとのご縁の上に成立している。自分は常に誰かに助けられて立っている」ということを自覚して初めて「本当の自立」と言える。と言っているのではないだろうか。
先般ご紹介したカウンセラーの話とも共通するが、中学生でも、高校生でも、大人であっても、「人に頼る」ということをマイナスにとらえてはいけないのではないかと思う。
「人に助けてもらう」→「感謝の気持ちを抱いて生活する」→「今度は誰かの助けになろうと考えて行動する」、このサイクルで動けば素敵な状況になるなと思うのである。
理想的に言えば、
自分がやれることは何とか頑張ってみた上で、仲間で助け合って、ときには甘えあって、生きていけたら、それこそ幸せな自立のかたちとなるのではなかろうか。
お互いに「助けられつつ、助けつつ」頑張っていきましょう!
本日はここまで。