招き猫先生の『ことちか日記』

招き猫先生の『ことちか日記』R2 6/15

巷で話題となっているニュースとして、
「ラグビー日本代表の福岡堅樹選手の東京オリンピック延期に伴う、自身の7人制ラグビーからの引退」が報じられている。

昨年のラグビーワールドカップ日本大会における福岡選手の大活躍は記憶に新しいところである。
福岡選手は以前から、東京オリンピックを区切りとして、2020~2021のシーズンでラグビーを辞め、もう一つの夢であった「医師」となるために、「医学部医学科」進学を目指すと公言していた。
競技を問わず、トップ中のトップレベルの選手が、しかもまだまだピークの力を残している段階で、次のステージを目指すというのは非常に稀なことであり、世間が騒いでいる。いちラグビーファンとしては実にさびしいことではあるが、その決断に敬意を表したい。

ここで、ふと頭に浮かんだのが
柔道の朝比奈沙羅選手である。
朝比奈選手は、講道館杯全日本柔道体重別選手権大会を4連覇するなどの実績を残しながら、医師になるための勉強にも注力してきた。東京五輪(柔道)のあとは柔道選手を引退して、本格的に医師への道を歩むと言っていた。
しかし、残念ながら、朝比奈選手の東京オリンピック出場は叶わなかった。

朝比奈選手はこれまで文武両道で生きてきた。五輪金メダルと医師になるのが夢だった。進学校の東京・渋谷教育渋谷高から柔道の名門・東海大へ。医学部を受験したが、不合格となり、体育学部に進んだ。それでも、厳しい練習の合間に予備校の机にも向かった。そして昨年10月、独協医大の医学部医学科のAO入試に合格したのである。

吾輩が驚いたのは、

朝比奈選手が「目的地はパリ五輪に変更」とコメントしたことである。

さらに、朝比奈選手は、
医学とともに全身全霊を懸けて走ってきた柔道ですが、東京オリンピックにはたどり着けませんでした。ただ、目的地を失ったわけではありません。人に両立しないといけないとか言うつもりはありません。ただ、誰にとっても、「自分には頑張れるものがある」とか、「何か愛せるものがある」とかいうことは、いいことだと思います。その中で、私が愛せるものが勉強と柔道だっただけなんです。文武両道を誇る気持ちはありません。ただ、私の姿を見て文武両道でいようと思ってくれる人がいれば、幸せなことです。と続けた。

吾輩は、柔道もラグビーも専門家ではない(もちろん、医学も)ので、このお二人の選択がどのような状況でなされたものか、専門的な立場から見るとどのように映るのかはわからない。

しかし、お二人の選択はそれぞれに清々しさを感じるのである。

二足のわらじを履く人は、二足のわらじを言い訳にせず、二足をしっかり履けばよい。

一足を履く人は、別のわらじに気を取られず、自分のわらじをしっかり履けば良い。

二足だから良い、一足だからダメなどということはない。

紹介したお二人に共通する素晴らしさは、目の前のことに全力で取り組み、後悔のない道を自分で選んで、努力し続けていることではないだろうか。

そこには、中学生・高校生の範となるものがあると思う。

本日はここまで。

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