招き猫先生の『ことちか日記』

招き猫先生の『ことちか日記』R2 8/18

先日のことである。

今はお母さんとなった卒業生の「小学生の息子に読書感想文の書き方を教えてやってください。」というリクエストにお応えして、「小さな感想文教室」を開催した。

4人の小学生相手に久々の授業(授業と言うよりも対話かな)である。

4人ともある程度は書けていて、「感動した。」「どきどきした。」「すごいなと思った。」「共感した。」「気分がすっきりした。」などなど、「感想」はそれなりに述べていた。

「大したものだ。これだけ書けていれば、もう出来上がっているよ。」と声をかけると、「まだ1枚しか書けてないから」「これ以上書くことないから」とのセリフ。

「それではおじさんが今から聞くことに答えてね。」と吾輩。

ここで出てくるのが、長崎日大中学校の奥義である「言語技術」である。

「どの部分に○○したの?」「どうして○○したの?」「自分だったらどうしてたかな?」「普通の人ならどうするかな?」「あなたは同じような経験をしたことあるかな?」「そのときはどうだった?」「どうしてこの人はそう言ったのかな?」「あなたならどうしたかな?」などなどの質問をぶつけていくのである。

子どもたちは面白がって競い合って答えてくれる。

ゆっくりゆっくり話しながら、B4くらいの紙にちょこちょこ書き込みつつ、マップ(感想文の流れの図)を作っていく。

読んでいる本は同じだが目の付け所は異なるので同じ内容にはならない。しかし、自分以外の展開にも楽しそうに口を出してくる。

それじゃ、一人ずつのマップをもう一度流してみるよ。このあと書いてもらうから、自分のマップにはネタを書き込んでね。

この時点で4人とも書きたくてうずうずしているのが伝わってくる。

4人分の確認が終わるやいなや、猛烈な勢いで書き始めた。

あっという間に、原稿用紙3~4枚が埋まっていた。

「こんなにスラスラ書けたの初めて」という笑顔が嬉しかった。

文章を読みながら、そして書きながら、いつ、どこで、なぜ、誰が、どのように、何のために、普通だったら、自分なら、などと考えることを習慣にしていくことはとても大切なことである。

最初は、導いてやる側が、気楽に答えを出せる問いを重ねていくこと、問いかけつつ、論理展開を作って見せることが肝要なのだが、一度に複雑なことをやる必要は無い。

久々となる小学生の少年、少女との対話は楽しかった。

「また会おうね。」と言いつつ、できたばかりの日大中の学校案内と説明会のお知らせを渡すのを忘れない吾輩であった。

本日はここまで。

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