招き猫先生の『ことちか日記』

招き猫先生の『ことちか日記』R2 8/24

英文学者で評論家、エッセイストとしても活躍したお茶の水大学名誉教授の外山滋比古さんが2020年7月30日、亡くなった。96歳だった。

200万部を超えたロングセラー『思考の整理学』(筑摩書房)で知られ、言語や教育、知的な生き方などについて100数十冊の著書を残した。新書や文庫が多く、出版界から引っ張りだこの人気著者だった。

大学入試の問題文にも多く採用され、吾輩も生徒さんたちとともに熟読、精読したものである。

本日、ふと目にした職員室の書棚に、『少年期』(展望社)という外山滋比古さんの著作があった。

これまでに耳にしたことのないタイトルに惹かれ、持ち主の許可を得て、借り受けた。追悼の意をこめて、拝読した次第である。

「少年期」という名の通り、外山滋比古さんの少年時代のエピソードが綴られていた。

著者のはしがきに、
これといっためざましいこともなく、面白い話はさらにない。ごくごく普通のことばかり、偶然におこるにすぎない。いかにも平凡である。こういう見栄えのしないものだが、他山の小石くらいにみてくださる若い人があれば、それほどうれしいことはない。
と、記してあった。

「何をおっしゃるやら!」である。
面白さ満載、かつ、すっきりと読みやすい文体、さすがである。

この本の持ち主である、放送部顧問の菅先生によると、2015年のNHK放送コンテストの課題本のひとつであった。さもありなん!である。

本日はここまで。

 

 

 

 

 

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