招き猫先生の『ことちか日記』

招き猫先生の『ことちか日記』R3 9/9・10

先般、拙ブログでご紹介した弁論大会についての続きである。
弁論大会本戦は代表の9名の弁士の皆さんによる素晴らしい弁論を見ることができたのであるが、長崎日大の弁論大会はその前の段階がある。

基本的には弁論原稿は全員提出なのである。

よって、長崎日大の弁論大会は「全員参加型」である。中学校は原稿だけでなく、実際に弁論の予選も行っている。

せっかく書いてくれた、提出してくれた弁論原稿である。

すべてというわけにはいかないが、国語担当の先生や担任の先生に頼んで多くの生徒さんの原稿を読ませてもらっている。

なにしろ、生徒さんたちの「生の思い」である。なかなか面白い内容も多く、勉強になるものも多い。

数ある原稿の中で特に印象に残ったものをひとつご紹介しよう。

とある高校生の文章である。

この生徒さん、競技のプレー中に大怪我をしてしまう。これまで一生懸命に取り組んできた努力が無駄になったと感じた瞬間もあったようである。そこから手術~療養を続け、多少落ち着いたところで書いた文章のようだ。

人の前では笑顔でいながらも、心に余裕がなくなる自分がいるのを感じていた。そんなとき、主治医や看護師、理学療法士の方々、部員や友達、先生や家族が支えてくれた。治療に関係のない話をして和ませてくれた病院の方々、色紙を書いてくれた部員たち、励ましの言葉や授業ノートの写真を送ってくれた友達、定期的に授業進度などの情報提供をしてくださった先生方、ほぼ毎日、課題や小テストを受け取りに行ってくれた妹、面会が難しい中、課題や着替えを持って病院に通い、家族みんなを支えながら、私の送迎を4ヶ月に渡って続けてくれた母に、たくさんの「ありがとう」という言葉を贈りたい。人は一人では生きてはいけない。誰かに支えられて生きている。何度も耳にしたことのある言葉だけど、今回の体験をとおして、身に染みた。実感した。怪我を経験して以来、私は、松葉杖の人に目が行く。心の中で「頑張れ!」とエールを贈る。私はリハビリを頑張り、怪我をする前よりも強い心と身体を手に入れるのだ。そして、いつか私も、傷ついた人たちを温かく力強くサポートできる人間になりたい。

いかがだろうか。そこまで長い時間をかけて、本当に真剣に競技に打ち込んできたプレーヤーにとって、大怪我、長期の療養は「絶望」であったことだろう。しかしながら、そこから、このような文章を書けるところまで立ち直った。

これもまた「長崎日大の誉れ」である。敬意を表したい。

本日はここまで。

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