登校の途中、ラジオから聞こえてくる声に耳を傾けていると、宇多田ヒカルさんがデビュー25周年を迎えるとのこと。
皆様ご存じであろうが、宇多田さんは、1998年に15歳でCDデビューし、デビューシングル「Automatic/time will tell」は、ダブルミリオンの大ヒットを記録。1stアルバム『First Love』は累計売上枚数765万枚を超え、日本国内の歴代アルバムセールス1位になっている。
昭和の藤圭子さんファンでもある吾輩としては、宇多田ヒカルさんの御年15歳のデビューは印象深く記憶している。
なぜなら、当時の吾輩は齢35歳、日大中学校の中学3年生の担任を務めていたからである。
初めて担当する中学生、15歳の少年少女と向き合いつつ、生徒さんたちが、「先生、宇多田ヒカルって私たちと同い年ばい。」
「そうね。それなら君たちも宇多田さんに負けんごと、がんばらんばね。」と話していた。
ラジオから流れてくる『First Love』の曲を聴きながら、四半世紀前の生徒さんたちとのやりとりを思い出していた。
高校の先生を12年務めた後の「初めての中学校」であった。
高校1年生は何度も経験したことがあったので、中学3年生もそこまで違いはないだろうと思っていたのだが、高校生と中学生の大きな違いを経験し、教員としての学びを深めることとなった。
中学3年生は、「吾輩が思っている以上に大人である面」と「思っている以上に子どもである面」が同居する、多感で繊細、それでいて頼もしくもかわいい存在であった。
当時出会った中学3年生は、なかなかに元気が良く、当時の先生たちの手を焼かせていたが、吾輩の眼には、全員「金の卵」「ダイヤモンドの原石」に見えた。
そして、それは錯覚ではなく、彼らは驚異的な成長を遂げ、現在も社会で活躍中である。
吾輩の長崎日大生活は37年目を終えようとしているが、中学担当が10年間ほどある。それは自らの先生としての枠を拡げる貴重な体験だったと思う。
せっかく、中学校と高校と二つの世代の先生となる機会があるのだから、両方経験したほうがいいというのが吾輩の持論となった。
平たく言えば、何事もやってみなければわからないということである。
長崎日大の先生たちにもぜひオススメしたいところである。
今や、あの頃の生徒さんの子どもさんが入学してくださる時代となった。有り難しである。
本日はここまで。