招き猫先生の『ことちか日記』

招き猫先生の『ことちか日記』R5 3/1・2

昨日3/1、卒業式を無事に終えることができた。
卒業生の皆さん、保護者様、ご尽力いただいた関係の皆様に
心から感謝申し上げたい。
本当に有り難うございました。

新体育館建設中のため、ここのところの卒業式、入学式は、慣れない諫早文化会館で実施しているのだが、皆様のご理解とご協力によって円滑に挙行できた。

今回の卒業式での式辞の中でご披露した「SWIM スイム」という詩がある。

京都の堀川高校さんの群読の題材として使われている詩であり、2007年当時に、出会ったとき、「良い言葉だな。卒業の時にふさわしいのでどこかでご披露したいものだな。」と考えていた。

式辞ではちと割愛したのでフルバージョンをご紹介しよう。

今まで生きてきた時間のすべてを自らの力にして,
呼吸を整え,さあ出発だ。
たくましさを知り,しなやかさを学び,
静かに心を見つめ,
あるいはゆるやかに,あるいは激しく,
眼前にたゆたう海に,
言葉の海に,記号の海に,たましいの海に,
海に向かう。

言葉の海を泳ぐ
記号の海を泳ぐ
たましいの海を泳ぐ
はるかな陸地をめざして
あこがれの陸地をめざして
すべての力を尽くし
かつて父がそうだった
かつて母がそうだった
静かに呼吸を整え
懸命に腕を伸ばし
高らかに波を蹴り
ひたすら夢に向かって
泳ぎつづける

ずいぶん時間が経った。
なつかしい日々が浮かんでくる。
いまどの辺りにいるのだろうか。
孤独が水よりも冷たい。
淋しさが波よりも暗い。
疲れが鉛の雲よりも重い。
陸地なんて見えないじゃないか。
いったいいまどこにいるんだ。
戻りたい,あの頃に帰りたい。
苦しくてしかたがない。
もう手が動かないのに,もう脚が伸びないのに,
どうして誰も助けてくれないんだ。

いまの声は何だ。
そこにいるのは誰だ。
君は……。
君も泳いでいたのか。
この暗い海の中で自分だけしかいないと思っていた。
ひとりだけが苦しいと思っていた。
君もいたのか。泳いでいたのか。この暗い海の中を。
みんなそれぞれにもがいていたんだ。
疲れたら休めばいい。
力を抜いて漂えばいい。
空にちりばめられた星を仰いで,
ゆるやかにたなびく雲を眺めて,
そう。そして,また泳ぎ始める。
腕と脚を伸ばし,泳ぎ始める。

光に向かって,夢に向かって,行くよ。
この光る海を,泳いでいくよ。

言葉の海を泳ぐ
記号の海を泳ぐ
たましいの海を泳ぐ
はるかな陸地をめざして
あこがれの陸地をめざして
すべての力を尽くし
かつて父がそうだった
かつて母がそうだった
静かに呼吸を整え
懸命に腕を伸ばし
高らかに波を蹴り
ひたすら夢に向かって
泳ぐ
泳ぐ
泳ぐ
…………………

如何だろうか。

改めて、今年の卒業生の皆さんと保護者様に、「感謝」と「尊敬」の念をこめて贈りたい。

ご卒業おめでとうございます。

本日はここまで。

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