招き猫先生の『ことちか日記』

招き猫先生の『ことちか日記』R2 5/26

臨時休校などの日程変更で実施が危ぶまれた第1学期中間考査だったが、日程を後にずらして、本日から3日間の実施となった。無理をしてはいけないが、やはり、定期考査は「学習の節目」として大切な存在である

中間考査が終了すると、中学3年生には、高校進級時の「コース・科の選択」、高校1年生には「文理選択」の機会が訪れる。もちろん、高校2年生はリアルな進路選択が、高校3年生は「選択と決定の今まさにその時」と言えるだろう。

「選択」という意味を考えるときに参考になるかと思い、コロンビア大学のビジネススクールの教授であるシーナ・アイエンガーさんの「選択の科学」という書籍に触れようかと思っていた。「選択の科学」については、「コロンビア大学の白熱教室」などとしてYouTubeなどでも見ることができる。シーナ・アイエンガーさんのTEDも面白い。本日は「選択」について語る前に(「選択」については後日改めて語る)、シーナ・アイエンガーさんの言葉を取り上げてみたい。

選択の科学 : コロンビア大学ビジネススクール特別講義 / シーナ・アイエンガー著 ; 櫻井祐子訳,東京 : 文藝春秋 , 2010.11からのかなり大雑把な引用になるので恐縮であるが、ちと、がまんして読んでみていただきたい。

「専門家は、その世界観や持論の内容のいかんを問わず、自分の考えを裏づける情報を、そうでない情報よりも、積極的に受け入れる傾向があった。」わたしたちも日常生活で同じことをやっている。自分の意見を裏づけたり、以前に行った選択を正当化するような情報を進んで受け入れるのだ。

何といっても、自分の考えを疑うより、その正しさを証明する方が気分がいい。
だから賛成意見だけをじっくり考慮し、反対意見は頭の片隅に追いやる。
だが、自分の行った選択を最大限に活かすには、都合の悪いことも進んで受け入れなくてはならない。問題は、このような※バイアスからどうやって身を守るかだ。」という言葉である。

ついでに、上記の※バイアスを説明しておこう。この場合の「バイアス」とは、確証バイアスと呼ばれるものであろう。
確証バイアスとは、社会心理学の用語である。

個人の先入観に基づいて他者を観察してしまうことで、自分に都合のいい情報だけを集めて、それにより自己の先入観を補強し、誤解が生じるという現象のことである。かみ砕いて言えば「人は自分が見たいものだけを見、信じたいものだけを信じる」ということになる。

長々と綴ってしまったが、コロナウイルス感染症に関する情報に翻弄される昨今、そして、先日起こってしまった心ないSNSがらみの悲しい事件などが吾輩の頭にあったのか、シーナ・アイエンガーさんの言葉と「確証バイアス」に敏感に反応してしまった。

賢明な拙ブログ読者の皆様には吾輩の意図するところをご理解いただけるものであると信じる次第である。

本日はここまで。

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